1949-05-28 第5回国会 衆議院 考査特別委員会 第8号
御質問の点は、ただいま行つております予算申告納税制度と実績納税制度——実績納税制度と申しますと、語弊がございますが、三年前までは所得税は大体実績によつて課税しておる。それから昭和十五年までは予算と実績と両方かみ合せてやつております。今回は、予算申告の制度、前年の実績によらぬということになつておるのであります。
御質問の点は、ただいま行つております予算申告納税制度と実績納税制度——実績納税制度と申しますと、語弊がございますが、三年前までは所得税は大体実績によつて課税しておる。それから昭和十五年までは予算と実績と両方かみ合せてやつております。今回は、予算申告の制度、前年の実績によらぬということになつておるのであります。
別に予算申告納税制度ということに変つたことと、もう一つはこういう思想があるのであります。事税に関する限りは國家と納税者とは利害相反しておる。利害相反しておる場合に、納税者の選出した調査委員会が決めるというのでは、取ろうとする國家の方を制肘することになるというので、理ぞ的によくないという考え方もあるのであります。
ただこの所得税につきましては、昨日も塚田委員のお話に申し上げましたように、課税が予算申告納税制度になつておりますが、早くからなかなか納まらないで、結局確定申告にまつものが多い。
第二の点は、予算申告納税制度だから、もし委員会を設けてやるならば、会計年度の三月を六月にするという問題でございますが、私はその問題については、そう思つておりません。第一回の更正決定のときに委員会を設けられるならば、一月から六月までのものを委員会にかけてやればいいのでございますから、問題は委員会を正式に設けるかどうかということが、問題になると思つております。
第二の所得税調査委員会は、御承知のように一昨々年まで過去数十年間やつて來たのでありますが、所得税が予算申告納税制度になりまして、その年の所得をその年に申告して納めるということになりますと、所得調査委員会にかける時期がないのでございます。從來は前年の実績によりまして、その年の税金を納めておつた。從つて前年の実績を調べて所得調査委員会にかけまして、五月までに決定して、その年に納めておつた。
なお予算申告納税制度は一昨年、昨年とやつておりますが、申告をなさる前に納税者と税務署の方でいろいろ調査をいたしまして、こういう基準で申告を願いたということにいたして行きますと、非常にうまく行くのであります。北海道におきます農業所得につきましては、ほとんど申告が完全に近いものでございまして、これをそのままで税務署が決定した、こういうことに相なつております。
なおこまかい問題につきましては、今研究中でありまするが、民自党その他で言つておられます所得調査委員会制度、これは予算申告納税制度の関係上、從來のような所得調査委員会は設け得られないと思うのでありますが、何かそこに民間の知識を入れるような方法を考えたいと研究いたしております。
ただ予算申告納税制度になると、從來のように前もつて所得調査委員会等に付議して決定することが非常に困難でございます。從いましてこれが緩和策といたしまして、更正決定をしたあと、異議の申立て等が出ました場合に、民間の意見を聞く制度を設けてはどうかという考えのもとに、関係方面と今話をいたしております。
第一に税制の基本理念に関して、現在予算申告制度がとられておりますが、この予算申告納税制度の民主化についてどのような見解をお持ちになつておるか。ほとんど納税義務者がみずからの所得を予定して申告するにかかわらず、一方的に更正決定がなされ、納税者はその更正決定に基いて非常に税の負担の過重にあえいでおる。
予算申告納税制度は、最も自主的な納税制度として理想的ではあるが、現在国民の納税思想の水準に照しては、よほど納税思想の高揚と徴税事務の親切適切を期さなければ、その目的を達し得ない現状であるにもかかわらず、納税者を千篇一律に頭から疑い、官吏の独善によつて更正決定を行うならば、正直者ほどばかを見る政治はここにも行われ、納税思想はますます低下し、かけひき申告を助長し、かけひき更正を盛んならしめ、出すまいぞ、
ところが昨年予算申告納税制度になりまして、自分で予算をして、そうして自分で計算をして税金を納める、こういう制度になりました関係上、いわゆる民主的な方法に改めました関係上、從來のように税務署が一方的に決めて、そうしてこれを査定するというような必要がありませんでありますから、いわゆる所得調査委員会というものが必要ないんじやないかというので止められたわけでございます。
從來は御承知のように、前年度の所得をもとにして所得税額を決定し、その決定した税額を、実は翌年の二月ごろまでに徴收していたわけでございますが、昨年から予算申告納税制度に改正になりまして、なるべく早く徴收するという建前から、なるべくその年度の所得に対する税額は、その年度の徴收するという建前に変つたわけでありまするが、それにいたしましても、年度末ぎりぎりの決定をいたします関係上、やむを得ずかような結果に相
昨年所得税に予算申告納税制度を採用して以來、納税者と税務官署との関係は特に緊密なものがあるのでありますが、今回これらの増設が実現することとなりますならば、納税者の利便はもとより、円滑適正な税務運営に資するところけだし大なるものがあろうかと存ずるのであります。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願いする次第であります。
昨年所得税に予算申告納税制度を採用して以來、納税者と税務官署との関係は特に緊密なものがあるのでありますが、今回これ等の増設が実現することとなりますならば、納税者の利便はもとより、円滑適正な税務運営に資するところ、けだし大なるものがあろうかと存ずるのであります。 —————————————
それから予算申告納税制度は、最も自主的な納税制として理想的ではありますが、現在國民の納税思想の水準に照らしては、まだ前途遼遠だと思う。一昨日の藏相の答弁では、せつかく納税思想の普及に專念すれば、着々効果を期待し得るというような、甘いお考えのようでありまするが、うのまねをしても、からすの泳げるはずはない。理想倒れにならぬよう、もう一度御檢討願う必要があるとお考えますが、いかがでありますか。
その原因はいろいろあると思いまするが、國民の自主的予算申告納税制度のごときものが我々にはまだ慣れない制度でありまして、それに原因があると思いまするが、併しながらそれと共に租税の賦課が今や限界点に逹し、いわゆる担税能力を超えるものではないか。
從いましてこういうふうな国民生活と全く遊離した税法でありますために、現在御承知のように、本年度から所得税は予算申告納税制度に相成つたのでありますが、その申告成績は極めて不良でありまして、又納税成績はそれに輪を掛けたように不良であります。
(拍手)今年度より施行せられた所得税の予算申告納税制度の現在までの進捗状況は予算の二六%に過ぎないことになつておりますが、この事実は政府の唱える健全財政の土台をゆすぶる重大な問題であります。この時に当り大藏当局は申告納税制度の民主的な根本精神を無視して、天降り的割当による所得税の更正決定を短期間のうちに強行し、この危機を形式的に名目的に乗り切ろうとしているのであります。